ふるべゆらゆら

 物部氏が守ろうとしたものが何であったかを推測するのは難しい。ここで念頭においているのが、仏教伝来をめぐっての蘇我氏聖徳太子らと物部守屋との戦さである。

587年の丁未の乱である。物部側の敗戦で天皇家及び豪族たちの仏教崇拝は加速する。

さて、「先代旧事本紀」という偽書がある。偽書といっても古い独自な文献に由来する情報を含んでおり、物部氏系の著者による作と推定されている。

 ここにある十種の神宝は並々ならぬパワーをもった神具であり、物部氏系統はそれを操ることが許されていたという。先祖崇拝だけでなく蘇りと新生の呪力があるという。

 仏教はそうした古代の呪術と伝統を封殺&否定するものとして、古代的な信仰をもつ物部氏たちの権威を脅かすものだったわけなのだ。

 

 

 そして、もうひとつ。

 四天王寺聖徳太子がその折の戦勝祈願によって創建されたという。その一角にいまでも「物部守屋の祠」があるのだ。

 さすが「和を以て貴しとなす」の太子の有言実行とみるべきか。敵を取り込む姿勢は懐の深さを感じさせる。

 

 

現代音楽家もこの神社の祝詞に魅せられた。


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